頚椎椎間板ヘルニア

一言にヘルニアといっても、発生する場所によっていくつかの異なる種類があります。

その中でも今回は、頚椎の椎間板ヘルニアについて書こうと思います。

頚椎椎間板ヘルニアとは、頚椎(首)の椎間板が損傷し、内部のゼリー状の組織が椎間板の外側に漏れ出す状態を言います。椎間板とは、頚椎の背骨と背骨の間にあるクッションのようなものを指します。

頚椎ヘルニアの症状の段階

1.肩こり、首の痛み、後頭部の痛みなど、首を回すと痛くなるのが、頚椎ヘルニア特有の初期症状です。

2.次に上肢の痛み、腕のだるさ、手の痺れ、手のむくみ、握力低下、腕の筋肉の萎縮などが起きます。

3.そしてさらに、後頭部痛、頭痛、目の奥が痛い、眼精疲労、眼充血、耳鳴り、めまい、ふらつきなどを感じます。

4.最後に、足のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁が起こります。

〈首・肩部症状〉

頚椎後方にある椎間関節の動きが低下したり変形が生じたりすると、頸の後方部から背中、時には胸の前の方に痛みや凝り、だるさ、違和感等々が生じます。リハビリテーションが治療の中心となってきます。頚椎牽引、マッサージ、温熱療法、電気療法、針治療、ストレッチ体操、筋力アップ、リラクゼーション等々を適宜組み合わせていきます。

〈腕、手症状〉

肩から手先までの上肢の症状は神経根症状によるものです。頸部から肩~上腕に痛みがあり、頸を後に伸展すると頸や腕に激痛が走ることもあります。

7つある頸椎の4番目以下の神経根が障害されると腕や手の痛みやしびれ、むくみ、握力低下、背部痛等が起こってきます。レントゲンMRIできちんとした診断を受ける必要があります。リハビリを繰り返すことが大切です。

〈頭部、顔面症状〉

3番目以上の神経根が障害されると、頸の後~後頭部~側頭部の痛みが起こり、さらに眼精疲労が生じやすく、目の奧が痛くなったり、充血しやすくなります。凝りや痛みが強くなると吐き気をもよおしたり、気分が悪くなったりします。リハビリの他、後頭部・頸部神経ブロック注射が有効となります。また頭へ行く血管が骨の変形で圧迫されたり、動脈硬化が加味されますと、血管内腔が狭くなり椎骨動脈不全症となってきます。めまい、頭のふらつき、吐き気、耳鳴り等が頸椎の変化によって生じてくることになります。

〈下半身症状〉

頚部脊髄が圧迫を受けると下半身及び上半身に神経障害が発生してきます。脊髄症を起こす圧迫の原因は、頚椎椎間板ヘルニア、後縦靭帯骨化症、脊柱管狭窄症等々であり、正確な診断はMRICT等によります。脚のつっぱり、歩行障害、尿コントロール障害、尿失禁、手のしびれ、筋力低下、筋萎縮、手足の痛み等複雑な症状が発生し日常生活に支障をきたすようになってきます。リハビリで体のバランスをつくり、基礎体力を向上させる必要があります。日常生活に支障がある場合には手術をすることもあり得ます。

以上、頚椎によって起こってくる疾患は様々であり、軽度は肩凝りから重度は身の回り動作が不自由となるまで多岐にわたります。

頚椎椎間板ヘルニアを治すには

頚椎椎間板ヘルニアは、首周りに痛みを抱える病気です。そのため、対策として、首や肩に負担をかけるような動作や作業を控えるのがベストでしょう。 また、首こりや肩こり改善のためのセルフケアも有効。マッサージやストレッチなどで痛みやしびれを緩和する効果が見込まれます。 セルフケアをやって痛みが引かない場合、鎮痛剤やリハビリ、手術などの治療法もありますので、医師と相談のうえ、適切な治療方法を選択しましょう。

頚椎椎間板ヘルニアを予防するには

「姿勢」

壁を背にして、後頭部・肩甲骨・お尻・かかとが付くように立つのが理想的な姿勢の目安です。背中が丸まっていない、顎が前につき出ていない姿勢なら、頚椎への負担が少なくなります。

「枕選び」

枕が高いとうつむいた姿勢になってしまいますし、低すぎる枕では顎が上がり、首が反ってしまいます。真っすぐに立っている時と同じような姿勢で寝られるよう、バスタオルなどを畳んで重ねて高さを調整してみると良いでしょう。枕の硬さはある程度好みで構いませんが、高さが合っているならある程度柔らかい方が良いでしょう。

頚椎ヘルニアの再発率

頚椎椎間板ヘルニアの再発率ははっきりとしていませんが、腰椎椎間板ヘルニアに比べれば非常に少ないことがわかっています。加齢とともに骨などが変形して、ヘルニアと同様に神経を圧迫することがありますが、この場合は再発ではなく頚椎症(頚髄症)という別の病気と診断されます。

再発の原因

再発の原因ははっきりしていませんが、加齢や頚椎への繰り返される負担などが原因として考えられます。遺伝的・体質的に発症しやすい場合は、どれだけ気を付けていても避けられないこともあります。

再発を予防するには

頚椎への負担を少なくするために、パソコン作業やスマホの操作の際は、猫背にならないように気をつけながら、長時間の利用を避けましょう。また、頚椎に負担がかかるスポーツなども避けると良いでしょう。しかし、どうしたら再発を防ぐことができるかははっきりとわかっていません。

目次

最後に

頚椎ヘルニアになってしまうと大変な思いをすることになります。そうならないよう自分の身体を労り、日頃から身体のケアをして予防できると良いですね。

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