〈症状〉
夜間に突然生じる激烈な肩関節の疼痛で始まる事が多いです。痛みで睡眠が妨げられ、関節を動かすことが出来なくなります。
発症後1~4週、強い症状を呈する急性型、中等度の症状が1~6ヵ月続く亜急性型、運動時痛などが6ヵ月以上続く慢性型があります。
〈肩こりと石灰化腱炎の違い〉
肩こりは、肩の筋肉や筋膜が緊張してこわばることで起こる症状です。
石灰化腱炎は、肩の腱板に石灰が沈着して炎症を起こす病気です。
肩こりは、ストレスや姿勢の悪さなどが原因で、徐々に痛みが出てきます。
石灰化腱炎は、原因は不明ですが、急に激しい痛みが始まります。
肩こりは、自力で肩を動かしても痛みが変わらないか、軽くなることがあります。
石灰化腱炎は、自力で肩を動かすと痛みが増すことが多いです。
肩こりは、肩関節の可動域があまり変わらないか、やや減ることがあります。
石灰化腱炎は、肩関節の可動域が大きく減ります。
肩こりは、レントゲンや超音波などの画像検査で特に異常が見られないことが多いです。
石灰化腱炎は、レントゲンや超音波で石灰沈着の所見が確認できます。
肩こりと石灰化腱炎は、似たような症状ですが、原因や病態、診断方法、治療法などが異なります。肩の痛みが長く続く場合は、医師に相談することをおすすめします。
〈原因〉
40~50歳代の女性に多くみられます。肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が生じる事によって起こる肩の疼痛・運動制限です。
この石灰は、当初は濃厚なミルク状で、時がたつにつれ、練り歯磨き状、石膏(せっこう)状へと硬く変化していきます。石灰が、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してきます。そして、腱板から滑液包内に破れ出る時に激痛となります。
★肩の石灰化になりやすい食べ物をご紹介★
それは、リンを多く含む食べ物と考えられます!
リンを多く含む代表的な食べ物はこちらです。
・桜えび素干し 1200mg
・するめ 1100mg
・いくら530mg
・アーモンド 460mg
・しらす干し470mg
*100gあたりのリン含有量
引用:日本食品含有量成分表2015
こう見ると、お酒のアテになるような味の濃い物がリンを多く含んでいる事がわかります。
意外なところですと、
・玄米、ライ麦パン 130mg
・ヨーグルト 100mg などの一見健康食でよく食べられるものや、
・チョコレート、ケーキなどの洋菓子 240mg
・ポップコーン 290mg など、おやつのようなものにも多いと言われています。
また1日のリンの摂取推奨量は
・成人男性1000mg
・成人女性800mg
・糖尿病患者800mg以下 とされています。
ですから、するめや、桜エビ素干しは100g食べただけで1日のリンの摂取推奨量を超過するわけです。
〈予防〉
石灰化腱炎の予防には、明確な方法はありませんが、以下のようなことが有効とされています。
・肩に負担をかけたときは、アイシングやマッサージなどで炎症や疲労を軽減する
・日常的に肩のストレッチや筋力トレーニングを行う
・特定の方向だけに寝ないようにする
・酢や野菜、納豆、牛乳などのアルカリ性の食品を摂取する
・便秘を改善する
これらの方法は、肩の血流を良くし、石灰の沈着を防ぐことが期待できます。また、肩の可動域や関節の安定性を高めることで、石灰化腱炎の発症や再発を予防することができます。肩の痛みや運動制限がある場合は、早めに医師に相談してください。
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