関節リウマチ(動かさなくても膝が痛い)

関節リウマチとは、免疫の異常によって関節の滑膜が増殖し、炎症が起こり、近くの骨を溶かす病気です。

膝関節だけでなく、全身の関節に発症する可能性があり、安静にしていても両膝に腫れと痛みがあるのが特徴です。

膝関節リウマチでは、黄色く濁った関節液が膝にたまって腫れることがあります。

目次

関節リウマチの症状

1 朝起きると、関節がこわばっている

2 起きてから30分〜1時間でふだん通りに動くようになる

3 左右両方の関節が動かしにくい

4 痛む関節が腫れている

5 痛む関節を触ると熱っぽい

リウマチは膝のほかに、指、手首、ひじなど、全身の多くの関節がこわばり、動かしにくいといった症状がみられる
→初めに手や手首の関節から始まり、徐々に全身の関節に広がっていくケースが多い
→発症初期には、朝起きてから1、2時間、手がこわばって握ることができないという症状が良く見られる

その他の症状として、「熱が出て全身がだるくなる」、「膝に水がたまって腫れる(関節水症)」、「ひざの皿(膝蓋骨)の表面に指先くらいの大きさのしこり(皮下結節)ができる」、「強く痛んだり弱く傷んだりと痛みが一定でない」 などがあります。

炎症が起こる原因

人体にはウイルスや細菌などの外敵から体を守るための作用である『免疫(めんえき)システム』が備わっています。
このシステムに異常が発生し、正常なはずの自分の関節を異常なものと勘違いして攻撃するために炎症が生じるとされています。
こうした免疫システムの異常が起こる原因については未だにはっきりと分かっていません。

このように、免疫系が自分自身の正常な細胞や組織に対してまで過剰に反応して攻撃することが原因で起こる病気のことを「自己免疫疾患」または「自律免疫疾患」と呼びます。

関節リウマチを発症するのは、30〜50歳代の人が多く、特に女性が男性の約3倍と女性の患者が多いのが特徴です。

治療と予防

関節リウマチの治療は、炎症を鎮める効果のある薬を投与する薬物療法が中心です。
抗リウマチ薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬、ステロイド薬などが使われます。近年では強力な抗リウマチ薬を使った「抗サイトカイン療法」という治療法が注目され、特に発症してから2年以内の患者さんに対し、早い時期に症状を収束できる大きな効果をあげています。

薬物療法と並行して、関節の炎症を抑えて痛みを軽くするとともに動く範囲を広げるための治療が行われます。関節を動かす体操を行う運動療法、温めて血行を良くする温熱療法、ギプスなどで関節を固定する装具療法などです。

装具などを使って関節の負担を減らすことも大切ですが、まったく動かさないのもよくありません。適度に動かすことで関節を柔軟にして痛みを軽くできる場合もあるため、運動療法も交えて治療を進めることが重要です。

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