【O脚とは】両膝が外側に彎曲した状態で、左右の内くるぶし(足関節内果部)をそろえても、左右の膝の内側(大腿骨内果部)が接しないものです。
【X脚とは】両膝が内側に彎曲した状態で、左右の膝の内側(大腿骨内果部)をそろえても、左右の内くるぶし(足関節内果部)が接しないものをいいます。
O脚・X脚の症状
●膝のこわばり
起床後や長時間座った後に、膝に動かしづらさやこわばりを感じることがあります。
動かしているうちに自然と解消されますが、悪化すると症状は継続し、徐々に膝関節の可動域が狭くなっていきます。
●膝の痛み
歩き出し、立ち上がりなどぼ動き出し動作の際に膝に痛みを感じるようになります。
症状が進行すると膝の痛みにより階段の上り下りや正座、深くしゃがむなど膝を曲げる動作が困難になる場合があります。
さらに悪化すると、歩行も難しくなり、生活に支障をきたす可能性があります。
●膝に水が溜まる
膝の関節が炎症を起こし、膝関節にある「滑膜(こつまく)」から関節液が分泌されて膝に水が溜まる場合があります。
●変形性膝関節症
O脚・X脚の症状が進行すると、やがて変形性膝関節症が生じることがあります。
O脚・X脚の原因
●骨盤の傾き
足の付け根にある骨盤の傾きが足のゆがみにつながり、やがてO脚・X脚などを生じるといわれています。
また、猫背や反り腰などの姿勢不良は、骨盤の傾きに影響を及ぼし、O脚・X脚を発症する可能性が高くなります。
●座り方
「足を組む」「頰杖をつく」「横座り」などを長時間続けていると筋肉が緊張するため、関節に不自然な負荷がかかります。
また、骨盤の傾きにもつながりやすいため、O脚・X脚を生じると考えられています。
O脚・X脚の対処法
●立ち方
立つときにO脚の方は足の外側に、X脚の方は足の内側に体重がかかりやすい傾向があります。
親指と小指の付け根、かかとにバランス良く体重を乗せて立つように意識することで、O脚・X脚の進行を防ぐことが可能です。
●歩き方
歩くときO脚の方は膝が外側へ、X脚の方は内側へ向いてしまう傾向がみられます。
足を前へ出すときにつま先と膝を正面に向けるように意識しながら歩きましょう。
また、立ち方と同様に「親指」「小指の付け根」「かかと」の3点で着地し、膝は伸ばし切らずに軽く曲げたままにすることで膝への負担が軽減されます。
●座り方
椅子に座る際は深く腰をかけ、背中が反り過ぎないように意識しましょう。
また、足を組む、頰杖をつくなど骨盤のバランスが崩れてしまうような座り方は避けるようにしましょう。
O脚・X脚の予防法
●内転筋を鍛える
太ももの内側にある「内転筋」を鍛えることで骨盤と膝が安定し、O脚・X脚だけでなく膝の痛みの予防にもつながります。
おすすめの筋トレは「ワイドスクワット」です。
足を肩幅の2倍に開いて行うワイドスクワットは普通のスクワットと比べて身体のバランスが不安定になる為、より効果的に内転筋を鍛えることが可能です。
●股関節のストレッチ
股関節のストレッチを行うことで股関節の柔軟性が上がり、O脚・X脚の予防が期待できます。
座りながら行える「あぐらストレッチ」の方法をご紹介します。
①あぐらをかき、両足裏を合わせます。
②両膝を上下に30回ほど揺らします。
③両膝を両手で押し、20秒ほどキープします。
股関節を柔軟に保てるだけでなく、筋肉の緊張が緩和されて血流が改善され、足のむくみやだるさ解消にも効果的です。
●外側広筋のストレッチ
太ももの外側から膝にかけてある「外側広筋」は、膝の動きや安定感を維持するために重要な筋肉です。
外側広筋をストレッチすることで筋肉の緊張がやわらぎ、膝関節の可動域が広がります。
①床に座り、片方の足のかかとはお尻に、もう片方の足は真っ直ぐに伸ばします。
②上半身を後ろへ倒し、膝下を外側へと開き、そのまま20秒キープします。
左右の足を入れ替えて1日3回ほどを目安に行いましょう。
【日本人にはO脚が多い】
日本人にO脚が多い理由は、靭帯の位置や筋肉の走っている走行の特徴によるもので、欧米人にはX脚の方が多いとされています。 変形性膝関節症には、原因がはっきりしない一次性のものもありますが、はっきりとした原因のある二次性のものが大部分を占め、その最も大きな原因がO脚なのです。
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