慢性筋肉性腰痛症

慢性筋肉性腰痛症とは、筋肉や筋膜が原因となって起こる腰痛のことです。

筋肉や筋膜に慢性的な負担や急激な負担がかかることで、痛みや炎症が生じます。

慢性腰痛は、3ヶ月以上続く腰痛のことで、特異的腰痛非特異的腰痛に分けられ、慢性筋肉性腰痛症は非特異的腰痛の一種で、筋肉や筋膜が原因となって起こる腰痛のことです。

目次

①腰椎の歪み(腰周りの筋肉の衰え)

腰椎は通常、体の前方に向かって緩やかなS字カーブを描き、体にかかる重力や負荷を逃がす役割をしています。
そして、腰椎のS字カーブを支えているのが腰まわりにある脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)や腸腰筋(ちょうようきん)、そして腹直筋(ふくちょくきん)。
これらの筋肉の力が弱くなると、腰椎がゆがんでカーブが大きくなり、腰痛を引き起こしてしまいます。

②腰椎を支える筋肉の疲労や負担

筋肉に負担が加わり続けると筋肉の血行が悪くなり、疲労物質である「乳酸」が蓄積されます。
そして、筋肉が硬くこわばってしまい痛みが生じるのですが、硬くなった筋肉はさらに血管も圧迫してしまいます。
その結果、血行がさらに悪くなって乳酸もたまり、痛みがどんどん増していくという悪循環に。
腰椎を支える主な筋肉である脊柱起立筋と腸腰筋でも、同じことが起こります。

脊柱起立筋は背骨全体に沿ってついている筋肉(一般的に背筋と呼ばれる部分)で、背骨を支え、座った姿勢や立った姿勢を保持させる役割があります。

寝ている時以外は常に背骨を支えているため、1日のうちの6割以上の時間はこの筋肉が使われています。
そのため、長時間座りっぱなし・立ちっぱなしでいると脊柱起立筋が緊張しっぱなしになってしまいます。また、物を持ち上げる時などに膝を曲げず前かがみの姿勢をとることも、脊柱起立筋を使用するため大きな負担に。

一方、腸腰筋は股関節と腰椎の間にある筋肉で、腰を前に曲げるときに使われる部分です。
車の運転やデスクワークで座る時間が長いと、常に腰を曲げる状態となるので腸腰筋が縮こまってしまいます。
この状態が続くことで、腸腰筋の疲労が蓄積し、腰痛を引き起こします。

③精神的なストレス

腰痛の原因は筋肉への負担だけでなく、精神的な部分が関わっていることもあります。特に、慢性的に痛みが続く場合は精神的ストレスが複雑に絡んでいることが多く見られます。

慢性的な腰痛が続くと、「あまり体を動かすと良くない」という思い込みから、必要以上に安静にしてしまいがち。この「体を動かさない」ということが、精神的なストレスとなってしまうことも。
精神的なストレスがたまっていくと、脳にある痛みを抑制するシステムがうまく働かず、余計に腰痛を感じることに。

そしてますます体を動かさなくなり、筋肉がどんどん衰えていって腰痛が悪化するという悪循環に陥ってしまうのです。

◯ 画像検査・・・骨や神経など腰の状態を確認する。(レントゲン検査、CT検査、MRI検査)

◯ 血液検査・・・腰痛の原因が筋肉や骨よりも内臓などにないか調べる

▶︎ 手術

・腰痛の原因がヘルニアである場合などに手術が行われることがある

・神経の圧迫を取り除く

▶︎ 薬物療法

・鎮痛剤を処方される

・他にも内蔵の問題がある場合はその状況にあった薬が処方される

▶︎ リハビリテーション

・腰の手術後、早期からリハビリテーションを行うことが多い

・保存療法(筋力をつけたり、腰の痛みが出ないような動き方を覚える。また、普段の姿勢を改善する)

腰痛を防ぐ正しい立ち方

腰痛を防ぐ正しい立ち方とは、一般的に「良い姿勢」といわれるものです。

しっかりとあごを引き、お腹を引き締め背筋を伸ばします。
肩は力をぬき、左右が同じ高さになるようにしましょう。
バランスがとりにくいと感じる場合は、重心を母趾球(ぼしきゅう:親指の付け根あたり)におくと良いです。

正しい立ち方ができているかチェックしたい時は、壁に背中をつけて立ってみてください。後頭部・肩甲骨・お尻・踵を壁につけて、腰の後ろに手のひらがぎりぎり入るくらいが正しい立ち方の目安です。

腰と壁の間に手がすっぽり入れば反りぎみ、無理をしないと頭や背中を壁につけられないのであれば前かがみになっています。反りぎみや前かがみの状態になると、腰に負担をかけてしまうので注意しましょう。

椅子に深く腰掛けて、あごを引き続き背筋をまっすぐ伸ばした姿勢が正しい座り方です。このとき、腰・太もも・膝がほぼ直角で、足の裏全体が地面についていることが大切。
椅子の高さをちょうど良いところに調整しましょう。

猫背や腰を反った姿勢の他、お尻が前に出て背もたれに深く寄りかかったような姿勢も腰に負担をかけてしまいます。
お尻が椅子の背もたれに当たるくらい、深く座ることを心がけてください。

【腰痛の原因になる行動を改善】

これらの行動や生活習慣は、体の歪みの原因になっている可能性があるかもしれません。

・椅子に座りながら足を組んでしまう
・床で横座りをしてしまう
・立つときに片足だけに重心をかけている
・カバンを片方だけで持つ
・猫背の状態でスマホを見る
・寝そべった状態でテレビを見る
・パソコンの画面と目線の高さが合っていない

以上の項目に当てはまるものがないか、セルフチェックしてみてください。

当てはまるものがある場合は、意識して改善して行くことをオススメします。

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