脊椎分離症・すべり症(腰椎の場合)

今回は腰椎(こし)の脊椎分離症、すべり症について書いていこうと思います。

腰椎の後ろ側がひび割れる疲労骨折を起こし、腰椎の一部が離れてしまうのが『分離症』

前にすべり出るのが『すべり症』と言います。

目次

症状

症状としては、腰痛(腰のベルトのあたりの痛み)の場合と、お尻や大腿部の痛みを出す場合があります。

多くはスポーツを活発に行っている、10代前半の成長期におきます。はじめは運動の時にだけ痛みがありますが、だんだん日常生活でも痛くなります。背中を反らす動作や、反らして捻る動作で痛みが出るのが特徴です。

分離症の場合に起こる症状

  • 自覚症状が出ない場合が多い
  • 長時間の立ち仕事や、腰を伸ばしたり曲げたりした時の痛み

分離すべり症の場合に起こる症状

  • 腰痛
  • 足の痛み、しびれ

原因

多くは身体が柔らかい中学生頃に、ジャンプや腰の回旋を行うことで腰椎の後方部分に亀裂が入って起こります。「ケガ」のように1回で起こるわけではなく、スポーツの練習などで繰り返して腰椎を反らしたり回したりすることで起こります。一般の人では5%程度に分離症の人がいますが、スポーツ選手では30%〜40%の人が分離症になっています。

分離症は10歳代で起こりますが、それが原因となってその後徐々に「分離すべり症」に進行していく場合があります。

分離症のメカニズム

①損傷が発生するのは第五腰椎(Lー5)

②腰椎後部にある関節突起間部に骨折が起こります。上下の椎骨と関節を形成する突起の間の部分です。

③力学的なモデルを用いた実験研究で、腰椎に反りや捻りを加えると、関節突起間部に負荷が集中することが明らかになっています。

④先天性のものもあります。椎体や椎弓の形状異常を認めるものが多く、高度なすべり症を生ずることがあり注意を要します。

予防と治療

保存的治療:基本は痛みや痺れや痺れの軽減を目的に行う

  • 安静
  • コルセット装着
  • 鎮痛薬
  • 神経根ブロック(麻酔)
  • 血管拡張薬を使うことがある

手術:脊椎固定術

  • 不安定な骨同士を固定して動きをなくす

分離症があっても強い痛みや日常生活の障害なく生活できる場合が大部分です。

腹筋・背筋を強化して、一般的な腰痛予防を心がけましょう。

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